肝実質の切離(肝を割る)

肝の切離はペアン・フラクチャード・メソッドで行う。すなわちペアン鉗子で肝実質を数回潰し、索状に残ったグリソン鞘を3~0バイクリル糸で結紮し、サンダービートで焼灼・切離する実質2重結紮となる方法である。

肝グリソン鞘

肝門部から流入するものに肝動脈、門脈、胆管がある。これらは肝臓の抹消に行くまで一緒に行動しグリソン鞘という線維性結合織に包まれている。このグリソン鞘を手術の時には慎重に扱う目安になる。

ペアンフラクチャードメソッド(Pean Fractured method)、すなわちペアンで肝実質を数回潰して壊し、グリソン抹消が1mm以下の太さの時にはこれをそのまま焼灼してもいいかもしれない。しかしこれが2~3mm以上の太さ以上を持って存在する時、それでも残ったグリソン鞘を3~0バイクリル糸で結紮し、サンダービートで焼灼・切離する実質2重結紮する必要が出てくる。昨今のエナジーデヴァイス(サンダービート、ハーモニックスカルペル、リガシュアー)などによってグリソンが3~4mmを超えないと、結紮する必要がないところまで、肝臓の手術はやりやすくなっている。

何はともあれ、「肝臓の手術の根幹は出血のコントロールと胆汁のリークを防ぐこと」に尽きる。

とは言っても、正常肝の話であって、硬変肝についての切離はまったく話は異なる。

最近は肝転移の手術が多く、肝臓は正常肝であって肝硬変の固い肝臓でないことが多いので"肝を割る"のは比較的やさしいし、その時の出血、や胆汁のコントロールも容易となった。