輸血拒否
最近、治療中の患者さんからの院内投書で、「血液を含むあらゆる薬を身体内に入れないでほしい」というのがあった。主治医との関係や患者さんの体調によって様々な苦情は来るのだが、もし本気で投書内容を主張しているなら問題である。
すぐに臨時倫理委員会を招集した。私に情報が入った15分後である。われわれは必要な薬、輸血等を含め患者さんの生命を救うために全力を尽くしている。これらをもって生命を救うのは標準医療である。従って標準医療を拒否する患者さんは当院では治療できない、と倫理委員会では決定した。
患者さんの生命を救うために全力を尽くすのはヒポクラテスの誓いから始まって医学教育を受け始めた基本中の基本である。医療関係者(医師、看護師・・・)になろうと決心した時から、心に誓っているこれだけは譲れないという部分なのである。