肝臓の手術

昨年も執刀した肝臓の手術について述べよう。
肝臓は実質臓器で、管腔臓器である胃や腸と大きく異なる。
胃や腸は内腔を食べ物が流れているので管腔臓器というが、肝臓は細胞の塊で胆汁を産生し、胆管を通して十二指腸に排出している。
肝臓や胃腸はいずれも消化器の範疇に入る。
肝臓の手術は肝臓にできた病変を切除する際に、細胞の塊を切離していかなくてはならないところが食道・胃や大腸といった消化管の手術と大きく違うのである。

肝臓の実質の切離時、つまり"肝臓を割るとき"にはPringle法を用いることが多い。血管の豊富な感実質を割るときに出血を減らすための方策である。すなわち、胃小網の無血管野に電気メス用いて小さい孔を開けてWinslow孔から通じるようにし、ベッセルテープを設置し、この部にフォガティ鉗子を通して肝十二指腸間膜を全体にクランブする。この操作は15分施行したのちに5分以上クランプを解除して行った。計2回の施行した。この方法で肝機能障害にダメージを加えなくて済むのは科学的論文で証明されている。

肝十二指腸間膜はその中に肝動脈、門脈、胆管が入っている、肝臓と膵臓をつなぐ部分にある。全体を漿膜で覆われている。