Vater乳頭部結石嵌頓

"The smaller, the worse."と言われていたことがある。小さい結石(主として胆石)がVater乳頭部の共通管に嵌頓すると急性膵炎を起こすことがあるが、その石が小さければ小さいほど急性膵炎が重症化すると1990年代には言われていた。共通管とは胆管と膵管が合流して十二指腸に開口する部分で、約70%の人に存在する。両者が合流しないで十二指腸に別開口する人もいる。

最近では消化器内視鏡技術の発達により、ERCP(Endoscopic retrograde cholangio-pancreatography: 内視鏡的逆行性胆管膵管造影)を行い、EST(Endoscopic sphincterotomy: 内視鏡的乳頭括約筋切開術)を行う技術が非常に発達し、早期に石を取り除いて膵管ステントなどを置くなどにより命の危険は少なくなっている。

またこの部の結石の嵌頓は閉塞性黄疸をもたらす。急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC: acute obstructive suppurative cholangitis)は早く治療しないと敗血症から死に至る恐ろしい病気である。

なおPassing (結石の自然通過)によって何も治療しないで経過観察で治ってしまうこともある。