名前ができて存在が生じる(老子)
疾患概念と杉の花粉症・ピロリ菌(4)

「疾患概念の確立」というのはこれを指す。ある病気の概念・言葉がなければ症状で苦しんでいることも、わからない人には単に「サボり」にしか見えない。説明ができないのである。

しかし、いったん「杉の花粉症」という疾患概念ができると、その言葉で社会は病気・状態を理解し、予防策を講じ、薬を開発する。原因を追求し、それを改善しようと努力する。

「名前ができて存在が生じる」(老子)ということなのである。