病院長のリーダーシップとコロナ対応

令和2年に入った1月、中国武漢に発生した新型コロナウィルス肺炎(COVID-19)の日本国内初の感染者が出た。1月15日のことである。それからの騒動、日本国内および世界の混乱は現在皆が目の当たりにしている通りである。

私はその翌日1月16日にはすぐに病院長として患者さんに武漢から帰国された場合には申告していただいて対応することなどの自筆のポスターを院内10数箇所に掲げ、17日には臨時感染対策会議を開き、「いずれ埼玉春日部の空中にも新型コロナが浮かんでいる状態になる」ことを想定した対応を職員に促した。それまで毎朝開いていた看護部長、事務長、事務次長との執行部会議では新型コロナの対応策を検討し、日々刻々かわる状況の変化に対応した。1月27日、2月2日には職員全員を大会議室に集めて現状と対応、心構えについて呼びかけた。1月30日には東都春日部病院で初めての疑い患者に対し、救急隔離導線の確認とCT、ガウンテクニックを用いた感染対策対応を実際に施行する機会を得た。

初動としては十分な対応だったと思う。病院長としては危機に対する敏感なアンテナをもち、それを職員に素早く伝えて情報を共有し、対策を日々更新していくことが重要である。同じような内容でも繰り返し繰り返し、職員に常に語りかけていくことが重要である。「職員を守ること」を念頭に置いて語り続けることは言うまでもない。

その後のダイヤモンドプリンセス号(2月初旬)、「新型コロナ、新たな段階へ」(2月15日)、3月2日からの全国小中高休校など事態は深刻化している。上に立つものが自分の言葉で常に語りかけることは、その組織を率いていくリーダーとして非常に重要なことである。

上記は、木村理:医師の原点(「臨床と研究」大道学館発行、2020年4月号)に発表された論文の一部(一部改変)である。当院はすでに本年1月からコロナ対策を万全に行っていることの証である。職員には当院に誇りを持つように常日頃指導している。