東都春日部病院第1回学術集会(7)
特別講演 木村理「膵臓と外科学」
ランゲルハンス島
ランゲルハンス島は1869年にドイツの病理学者Paul Langerhans(パウル・ランゲルハンス)によって発見された。
100μm程度(50~200μm)の大きさで、α細胞、β細胞、δ細胞、pp細胞などを有する。α細胞はグルカゴンを、β細胞はインスリンを、δ細胞はソマトスタチンを、pp細胞はパンクレアティックポリペプチドを分泌する。これらが混在し、細胞集団を作っているのがランゲルハンス島である。
下図で示すように抗インスリン抗体のモノクロナル抗体を用いて染色すると、ランゲルハンス島が膵腺房細胞の中に島状に染色される。
産生されたホルモンはランゲルハンス島内に網目のように張り巡らされた毛細血管(下図)に放出される。
したがって、腫瘍化した膵の神経内分泌腫瘍(pNET : pancreatic neuroendocrine tumor)は血管に富み、造影で造影される腫瘍という特徴を持つ。
インスリンは「島」のラテン語Insulaに化学物質を表す語尾のinをつけてInsulinと命名されたのである。