方丈記と東日本大震災(3)
「そのさま世の常ならず、山は崩れて河を埋み、海は傾きて陸地をひたせり。土裂けて水湧き出で、巌(いわお)割れて谷にまろび入る。なぎさ漕ぐ船は波にただよひ、道行く馬は足の立ち処を惑はす。」
海は傾きて陸地をひたせり、というのが津波のことである。
東日本大震災では特に津波の被害が大きかった。
特に津波は「津波てんでんこ」という言葉の伝えがあるように、三陸地方に伝えられる教えである。津波が来たら「てんでんばらばら」に逃げることによって、生き残る遺伝子があるという先人の教えである。