新入職者オリエンテーション

病院長挨拶
病院長 木村理(わたる)

ご紹介いただきました、東都春日部病院の病院長、木村理です。皆さまの新たな門出を心からお祝い申し上げるとともに、一言ご挨拶させていただきます。

1.当院の理念

当院が最も重視しているのは「地域医療に邁進する」という理念です。春日部や越谷、その周辺地域の患者さんの命を病気から守ることを日々実践しています。皆さまにも、この理念を胸に留めて共に取り組んでいただきたいと思います。働く中で、良い時も辛い時もあることでしょう。そんな時、自分は何のために働いているのか迷うこともあるかもしれませんが、常に心の片隅に置いておいてほしいのは、我々が地域のために尽力しているということです。春日部や越谷、さらには埼玉県、そして日本中から患者さんが来るかもしれません。そのために全力を尽くすことが大切です。

2.当院の特徴

当院は184床の中規模病院です。300床、500床、800床、1000床といった病院と比べると大きくはありませんが、その分、職員一人一人の顔が見えるというメリットがあります。職員同士がお互いに顔を見せ合い、意思の疎通ができることは、患者さんの診療において非常に重要です。ぜひ皆様も早くこの仲間に加わり、病院に慣れ親しんでいただき、お互いの顔が見えるようになり、患者さんのために尽くしていただければと思います。

3.医学の進歩

医学は日進月歩です。既存の知識でだけでは不十分であり、新たな知識の習得に全力を注いでほしいと思います。日々、勉強を続けてください。例えば外科学において、私が卒業した46年前には腹腔鏡手術や胸腔鏡手術は存在しませんでした。1990年頃から鏡視下手術が導入され、患者さんの術後回復が飛躍的に改善されることがわかってきました。20cmの傷を開ける手術よりも、刺し傷のみの方が良いと認識され、さらにはロボット手術にも発展しています。

4.地域医療の実践

当院では、新たな地域医療の実践として、近隣の医師たちとの連携を深めています。これはドイツ方式の応用とも言えます。紹介していただいた患者さんのクリニックの先生に、積極的に当院に足を運んでいただき、入院患者さんにお会いいただくことで、患者さんが安心して当院に入院できる環境を作っています。さらに、昨晩も18時から19時間半までの1時間半、近隣クリニックの先生が訪問され、涙を流して喜ぶ患者さんもいらっしゃいました。私たちが患者さんとのコンタクトを持つのは数日ですが、その患者さんを20年、30年にわたって診てきた医師が目の前に現れると、思わず手を握って離さないということがあるのです。この試みは、当院が日本で初めて行っているものだと思います。

この観点からも東都春日部病院は日本一の病院を目指し続けます。皆さん、一緒に頑張りましょう。

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